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氷室の「LAST GIGS」から1カ月が過ぎ、映画「postscript」が公開されました。
音楽ドキュメンタリー映画は今まで何本も見ているのですが、正直な感想は、今まで見た中で「一番心に重く残る」作品でした。
自分の思い入れが強いせいだけじゃない。リアルはこんなにも痛みを伴うものなのか。
裏側を見せない氷室の貴重な姿。
氷室というアーティストはメディア露出が少ない人。アルバムが出ても雑誌インタビューも近年は行われなかった。
リアルで氷室本人を見る方法は「ライヴ」しかありませんでした。
その中で、当時、日テレのニュースZEROが氷室の特集を組んだ。
本人へのインタビューも含めた映像はとても貴重。
この映画は2010年からの6年間追い続けてきた、氷室の裏側をまとめた物。
つまり氷室が「LAST GIGS」にたどり着く過程も記されています。
氷室が放つ言葉のキーワード
氷室がこのインタビューを受けるキッカケとなったワードは
「天命」
孔子の言葉で「50にして天命を知る」
当時50になる氷室は「天命なんてわからない、その人間の姿を見てもらおう」ということで始まり、やがて氷室自身がたどり着いた「天命」も語られます。
氷室はライヴのMCもそうでしたが、キーワードとして単語を用いります。「天命」に限らず、その言葉たちの意味、もたらすものなど、メディア露出も少ない、言葉数も少ない。
その中で放たれる「言葉」
氷室京介という人間を通して出てくる言葉たちは、何か引っかかる。
己に問うと、無いものが、はっきりと見えてしまう。
見ている世界は違うと言えど、物事を突き詰めるということが、どういうことなのかを考えさせられる。
この6年間で起った事。
この6年間の間に、さまざまなことが起った。
氷室自身、東日本大震災以降、
チャリティライヴ、プライベート、卒業宣言、ライヴリハでの骨折、ライヴ中断、リベンジ、LAST GIGS
これはドラマではなく、ドキュメンタリー。
ドラマと言ってはいけないが「どうしてここまでこの人は」と思ってしまう。
ロックにありがちな、「ロッカーであるがためのドラマ性」っていうのがあるのだろうか?
でも、これは氷室がよく言っていた、
「無様が生き様になる」
それを記しただけのこと。
コンディションがどこで崩れ始めたか、まさか、あのアクシデントの映像まであるとは思わなかった。正直そこは、映像が流れる中で「まさか流す気なのか?」と迫るその時に恐れを感じた。氷室は映画の内容をチェックしているはずなので、そこまで晒してもいいと思ったのだろうけど、、、辛かった。
こんなリアルなロックは初めてだ。
重々しい言葉を並べましたが、楽屋などでの緩んだ表情も見れますし、
ライヴ映像もあります。
映画館で見ると、大音量の中、
あの「ライヴ」空間に行くことがもう出来ないという現実が寂しいなぁ・・・
でも、このドキュメンタリー6年の氷室を、
外からずっと流れに沿って体感できたのは幸せだったなと。強く思います。
これ、本気で大きなステージでライヴしたい人は見てほしい。
クリエイターも研ぎ澄まし方に触れるにはいいかも。
私が体感したLAST GIGSはこちら。
氷室京介のLAST GIGSが、ついに幕を開けてしまう時が来た。
氷室京介の「LAST GIGS」幕開けから、閉じるその日まで