Stable Diffusionを自身のPCで使うための準備について。
ただ「Stable Diffusion」というソフトをインストールするだけというような、一般的ソフトとは違います。
この記事ではStable Diffusionをローカル環境で使うために必要なデータのダウンロードからインストールまでを解説しています。
インストールをする前に、お持ちのPCが「Stable Diffusion」の推奨スペックに対応しているかの確認は、こちらの記事をお読みください。
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ローカル版「WebUI Automatic1111」の導入
ローカル環境でStable Diffusionを使えるようにするには、以下の4つの手順を行うと画像が生成できるようになります。
- Pythonのインストール
- gitのインストール
- WebUI Automatic1111のインストール
- model(モデル)ファイルのダウンロード
1.Pythonのインストール
Stable DiffusionはPython(パイソン)というプログラミング言語で作られているため、
実行するためにPythonをインストールする必要があります。
Pythonはオープンソースで運営されていますので、無料でダウンロードが可能です。
Pythonにはいくつかのバージョンがありますが「最新版ならいい」というわけではなく、
推奨されるバージョンの確認が必要です。
2023年10月現在、WebUI(Automatic1111)の推奨バージョンは3.10.6ですが、
インストールする時点で、こちらから推奨バージョンを確認してください。
(Windowsの項目に記載されています)
Pythonのサイトを開きます。
メニュー[Downloads]→[Windows]をクリックします。
インストールファイルの種類がいくつかあります
Windows Installer(64-bit)をダウンロード
ダウンロードしたファイルを実行します。
最初の画面一番下の「Add Python 3.10 to PATH」に必ずチェックを入れることを忘れずに!
(後で設定の直しが必要になります)
「Install Now」をクリックしてインストール開始。
完了したらクローズをクリックして閉じます。
2.gitのインストール
gitとは、プログラミング等で使うバージョン管理システムのことです。
本来Gitは開発者のためのツール。
ユーザーがGitをインストールする理由は、
最新のStable Diffusion WebUIを使い続けるため、今後アップデ―トが入ったとき、
最新版への更新をかけるときに使います。
Gitは無料でダウンロード可能です。
https://git-scm.com/download/win
Standalone Installerにある「64-bit」のインストーラーをダウンロードします。
英語表記ですが「NEXT」で次に進み、
フォルダや、コンポーネントも触らず、デフォルトのまま進みインストールを行います
3.AUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIをインストール
次にWebUIをインストールするのですが、
まずインストールする場所を決めましょう。
インストール先の注意点
- 空き容量が十分であるかを確認
- フォルダ名が日本語だとエラーの原因になる可能性がある
- ファイルシステムがNTFSのドライブを選ぶ
インストールしたいフォルダをエクスプローラーで開き、
フォルダの何もないところで右クリックしてメニューを開きます。
私はデスクトップにインストールします。
「Git Bash here」をクリックします。
コマンドプロンプト(黒い)画面が表示されるので、
下記のコードをコピーしてペーストします。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
コマンドが[Ctrl+V]でペーストできないときは、
画面上で右クリックして、[Paste]をクリックします。
[Enter]を押すと、実行が開始されログが表示されます。
コマンドが成功すると、自分のPCの指定した場所に
「Stable-diffusion-webui」フォルダが作成されるので確認します。
WebUIのインストールは以上で完了となります。
モデルファイルの保存
まだ、WebUIには肝心な絵を生成するためのモデルが入っていません。
お好みのモデルをサイトからダウンロードし、インストールした「Stable-diffusion-webui」の所定のフォルダにモデルファイルを入れる必要があります。
モデルについての詳しい内容や、おすすめのモデルなどについてはこちらの記事で解説していますので、モデル選びの参考にしてください。
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モデルのダウンロード
モデルファイルはサイトでダウンロードできます。
Stable Diffusionのモデルがダウンロードできるサイト
モデルごとに商用利用の可否は異なりますので必ずチェックするようにしてください。
また、商用利用が可能なモデルでも、著作権を侵害する可能性があるため注意しましょう。
モデルの学習データに著作物が使用されていることもあり、既存のキャラクターに酷似した画像の生成もできてしまいます。
モデルをフォルダに入れる
stable DiffusionのモデルをダウンロードするとZipファイルではなく、モデルのデータファイルだけとなるので、
ダウンロードしたらStable Diffusionをインストールしたフォルダ内
以下のフォルダに入れます。
\stable-diffusion-webui\models\Stable-diffusion
WebUI(Automatic1111)を起動する
ここまでできたら、Automatic1111を起動できます。
まず、Automatic1111のインストールフォルダ直下
webui-user.batをダブルクリック
[webui-user]というファイルが2つありますが、[Windowsバッチファイル] を選択してください
生成画面ではなく、黒い画面(コマンドプロンプト)が現れます。初回起動時のみ少し時間がかかるようです。
読み込みが終わるとブラウザでAutomatic1111が起動します。
コマンドプロンプトの読み込みが止まったのに、起動しないときは
コマンドプロンプトに表示されるURL[http://127.0.0.1:7860]の部分をCtrlキーを押しながらクリックしてみてください
URLが見当たらない場合は、まだ途中かもしれないので表示され、止まるまでは待ちましょう。
コマンドプロンプトは、Automatic1111を使う間は常に表示しておく必要があります。
閉じてしまうとAutomatic1111が停止します。
起動までの作業はここまでになります。
2回目以降の起動も同じです。(初回よりは時間はかかりません)
まとめ
お疲れさまでした。
ここまでくれば、stable Diffusionを立ち上げて、プロンプトを入力すれば画像生成ができるところまでセットできました。
他の画像生成AIツールより、導入も手間がかかりますが、stable Diffusionは他にはできない様々な使い方ができ、生成画像の制作の幅も広がります。
事前に調べている方ですと、モデルの種類やプロンプト作成、「LoRa」という追加学習機能など情報量の多さに追いつかないと感じることもあるでしょう。
(私もそうでした)
環境を揃えてばかり、導入してばかりですと先に進みませんので、実際に画像生成をしながら少しづつ進めていきましょう。
この次のステップとしては、以下の便利ツールを知ること、導入をしてみましょう。
特に拡張機能は初期段階で入れると画像生成がラクになります。
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