「EasyNegative」とはStable Diffusion web UI用のembeddingsで、
これを使うとネガティブプロンプトを使わなくても生成画像のクオリティが上がる。
いちいちネガティブプロンプトを入力する手間が省けます。
今回はStable Diffusionのembeddings「EasyNegative」の導入方法と使ってみた結果を解説します。
こんな方におすすめ
- Stable Diffusion初心者
- 画像生成が上手くいかない人
- ネガティブプロンプトが難しくて困っている人
- 生成した画像のクオリティを上げたい人
「EasyNegative」とは何か
EasyNegativeは、元々生成モデル「Counterfeit」向けに作られた、生成する画像のクオリティをアップするためのembeddings
しかし、Counterfeit以外にも「Anything」や「OrangeMixs」などのモデルでも効果が見られたため、今では人気のembeddingsとして知られています。
内容としては、クオリティをアップするためのネガティブプロンプトがすでに埋め込まれています(embedding=埋め込み)
イラスト系のモデルに効果があると言われるembeddingsです。
初心者にとって難しいと感じてしまうネガティブプロンプトを入力しなくても、EasyNegativeを使えばクオリティがUPします。
「EasyNegative」導入方法
Stable Diffusion web UIにEasyNegativeを導入する手順について
まずデータをダウンロードします。
ダウンロードは「Hugging Face」から行います。
EasyNegativeのページはこちら
-
gsdf/EasyNegative at main
We’re on a journey to advance and democratize artificial intelligence through open source and open s ...
huggingface.co
「EasyNegative.safetensors」と書かれた部分をクリックすると詳細ページが開くので「download」と書かれた部分をクリックすると、ダウンロードできます。
ダウンロードしたファイルはStable Diffusion web UIをインストールしているフォルダを開き、「embeddings」というフォルダの中に入れます。
導入は以上で完了です。
「EasyNegative」使い方
Stable Diffusion web UIを立ち上げます。
embeddingsは、データをフォルダに入れるだけでは適用されません。
embeddingsは省略されたワードがそれぞれにあり、それを入力するだけで使用することができます。
embeddingsは1つだけでなく複数使えますし、プロンプトに文章を追加することもできます。
やり方は2通りあります
直接入力
EasyNegativeの場合、ネガティブプロンプトの項目に
EasyNegative
と入力してください。
Textual Inversion
Stable Diffusion web UIのアップデートで「花札」のアイコンはなくなりました
ネガティブプロンプトの入力欄の下のタブにある「Textual Inversion」をクリックします。
ここにembeddingsのデータが入っています。
まずネガティブプロンプトの入力欄をクリックし、選択されている状態にします。
次に「EasyNegative」をクリックすると、ネガティブプロンプトにEasyNegativeと入力されます。
実際に試してみた
今回推奨モデルではありませんが、使えるか試したかったので
- dreamshaper_8
- mistoonAnime_v20
で試してみました。
model : dreamshaper_8
Sampling method : DPM++ 2M Karras
その他はデフォルト
ポジティブプロンプト
Mirai, 25 years old, female, long hair, hair color hazel brown, happy, frontal face, head shot, tailored jacket, waiting in front of the park gate for a meetup
ネガティブプロンプトは未使用(空欄)とEasyNegativeのみ 2パターンを作成しました
どっちもかわいいんですけど・・・
「EasyNegative」を使った方が全体的にはっきりした画になりました。わかりやすいのが服と髪の毛。
未使用だとのっぺりとした印象が、「EasyNegative」を使うとより実写に近くなったと思います。
次にアニメ絵が得意だということで、こちらも推奨ではありませんが「mistoonAnime_v20」を使用してみました。
手の生成も見たいので、上記のプロンプトに「手を頬にあてている」と追記しました。
プロンプト
Mirai, 25 years old, female, long hair, hair color is hazel brown, happy,hand on cheek, frontal face, head shot, tailored jacket, waiting in front of the park gate,
アニメになると差がわかりやすいですね。
指に関しては微妙なので、指が見える絵の場合は別途指の奇形を抑えるembeddingsを用意した方がいいかもしれません。
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まとめ
これ1本でネガティブプロンプトの手間が省けるというわけではありませんが、初心者でも簡単に扱えますし、生成の効率、クオリティだけでなく時短にもなるので導入をおすすめします。
モデルによっては使わない方が良い場合もあるので、自分で追記するネガティブプロンプトも含めテストを重ねると自分の納得するポイントが見つかると思います。
Stable Diffusionは他の生成ツールと比べ複雑に見えますが、奥行きが深いと捉えてください。
簡単にできるツール導入や、対処法などの情報があるので効率よく進めるのが生成効率を上げるポイントだと思います。
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